宇宙用語研究会

　このサイトは、これまで約30年間にわたって、ネーティプの外国人に発音の聞き取り調査をして、彗星、小惑星、研究者などの名前の発音をとりまとめたサイトです。
　多くの書籍、マスメディア、ウィキペディアなどのウェブサイト、学会や天文台のホームページなどに掲載されている天体名などは、このような系統的な調査に基づいた表記ではなく、ただなんとなく他者が書いた表記の子引き、孫引きにすぎなかったり、多数決で採用しているため、多数派の人が間違えると、「ハレー彗星」をはじめとして、「マスメディアによる間違いの自作自演」や「間違いの堂々巡り」に陥ることがあります。
中には、「ハレー彗星」などの間違った呼び方を定着させようとして、様々な工作をしている悪徳な人もいるようです。
しかし、特に人名の呼び方は、基本的に本人が決定するものであり、人名を正しく呼ばないことは、「呼称人格権の侵害」という人権問題を生じるおそれがあります。外国人の名前は間違って呼んでもかまわないというのは、「世界人権宣言」や「国際人権規約」に反する人権侵害です。

　そもそも固有名詞の呼び方は、「その固有の属性を有する人に決定権があり、その呼び方に従う」というのが大原則であり、「外国語の人名・地名の呼び方は、慣用が固定している場合を除いて、中国語以外は現地での呼び方に従う」というのが日本語でのルールで、それ以外の呼び方が容認されるのは、国名や別名の場合などに限られており、決して世間の多数派に合わせればよいというものではありません。これは、協調性バイアス、現状維持バイアスと呼ばれる不合理です。
このため、「一般的な呼び方をしてもかまわない」というのは、詳しい事情を知らない一般人には許される言い訳ではあっても、真実を探究すべき立場の研究者や、真実を伝えるべき立場のマスメディアの方に許される態度ではありません。
しかし、実際には、これらの影響力の大きな方々は、満足な発音調査もしないで、「一般的な呼び方」と逃げを打って、不適切な呼び方をし続けています。「無責任ご都合主義」です。

　このような悪循環を断ち切ることを目的に、発音調査に基づいた日本語表記を提示することとしました。
ぜひ、ご参考にしてください。
ご意見は、掲示板にどうぞ。

最近のトピックス

★ 標準彗星名表記を作成しました　

★ フラグスタッフACM2023参加報告をアップしました　

★ Didymos (ギリシャ語) = ジジモス　(×ディディモス=英語読み,ラテン語読み)

★ Dimorphos (ギリシャ語) = ジモルフォス　(×ディモルフォス=ラテン語読み)

★ 釜山IAU総会報告　

★ Sárneczky彗星(C/2022 A1) (ハンガリー語) = シャールネツキ彗星　

★ Bernardinelli-Berstein彗星(C/2014 UN271)(ポルトガル語,英語) = ベルナージネッリ・バーンスティーン彗星　

★ Maury-Attard彗星(C/2021 J1) (フランス語,フランス語) = モーリー・アタール彗星　

★ Leonard彗星　(C/2021 A2) (英語) =　レナード彗星

★ Wierzchos彗星(C/2020 H3) (ポーランド語) = ビエシュホシュ彗星

みんな間違ってるよ!

★ Halley彗星 (英語) = ハリー彗星　(×ハレー彗星)

★ Hartley彗星 (英語) = ハートリー彗星　(×ハートレイ彗星)

★ Shoemaker-Levy 9彗星 (英語)　= シューメーカー・リビー第9彗星　(×シューメーカー・レビー第9彗星)

★ Giacobini-Zinner彗星　(フランス語,ドイツ語) = ジャコビニ・ツィナー彗星　(×ジャコビニ・チンナー彗星)

★ Pons-Winnecker彗星　(フランス語,ドイツ語) = ポンス・ビネケ彗星　(×ポン・ウィンネッケ彗星)

★ Pons-Winnecker彗星　(フランス語) = ブランパン彗星　(×ブランペイン彗星)

★ Schwassmann-Wachmann彗星　(ドイツ語) = シュバスマン・バハマン彗星 (×シュワスマン・ワハマン彗星)

★ LONEOS彗星 (英語) = ロニオス彗星　(×ロネオス彗星)

★ NEOWISE彗星 (英語) = ニオワイズ彗星　(×ネオワイズ彗星)

★ Hergenrother彗星 (英語) = ハーゲンロサー彗星　(×ハーゲンローザー彗星)

★ du Toit-Neujimin-Delporte彗星 (英語,ウクライナ語,オランダ語) = ドゥトイト・ネウィミン・デルポルト彗星　(×デュトワ・ネウイミン・デルポルテ彗星)

★ Deimos (火星の衛星) (ラテン語) = デイモス　(×ダイモス)

★ Titan (土星の衛星) (ラテン語)　= ティタン　(×タイタン)

★ Enceladus (土星の衛星)　(ラテン語) = エンケラドゥス　(×エンセラダス)

★ Styx (冥王星の衛星) 　(ラテン語)　= スティクス (×ステュクス)

★ Ceres (小惑星) (ラテン語)　= ケレス (×セレス)

★ Juno (小惑星)　(ラテン語) = ユノー　(×ジュノー)

★ Chiron (小惑星)　(ラテン語)　= キロン (×カイロン)

★ Bennu (小惑星)　(アラビア語)　= ベヌー (×ベンヌ)

★ OSIRIS-REx (小惑星探査機)　(英語)　= オサイリス・レックス (×オシリス・レックス)

★ Shapley (天文学者)　(英語)　= シャプリー (×シャプレー)

★ Hertzsprung (天文学者)　(デンマーク語)　= ヘルツプルング (×ヘルツシュプルング)

★ de Sitter (天文学者)　(オランダ語)　= デシター/デシッテル (×ドジッター)

★ Maunder minimum (太陽黒点)　(英語)　= モーンダー極小期 (×マウンダー極小期)

★ Dalton minimum (太陽黒点)　(英語)　= ドルトン極小期 (×ダルトン極小期)

★ Cassegrain focus (望遠鏡)　(フランス語)　= カスグラン焦点 (×カセグレン焦点)

★ Nasmyth focus (望遠鏡)　(英語)　= ネイスミス焦点 (×ナスミス焦点)

★ Apollo, Amor, Aten, Atira (特異小惑星) 　(ラテン語) = アポロ型, アモール型, アテン型, アティラ型　(×アポロ群, アモール群, アテン群, アティラ群)

★ Centaur (小惑星のタイプ) 　(ラテン語) = ケンタウルス型　(×ケンタウルス族)　これは、ギリシャ神話での「ケンタウルス族」が小惑星の「族」の意味と混同されてしまったもの。

注釈：彗星名、小惑星名の表における「確度」について
AA = 本人または直接関係者に発音調査が行われた(信頼度99%)
A = ネイティブの外国人に発音調査が行われた(信頼度95%)
B = 辞書等による発音推定 (信頼度70%)
E = 英語読み
G = 古典ギリシャ語読み
J = 日本語における慣用表記
L = ラテン語読み
U = 不明